こだわりのいっぴん

東郷ハガネ、犬首号ハイスピード鋼使用「東郷」鉋

与板の職人さんで、お爺さんが東郷ハガネの犬首号を使っておられた方がいましたが、孫に当る方が残された材料を使いこなすことに成功され、製造しているのが、この鉋で、名前もズバリの「東郷」です。

河合鉄店の資料によると犬首号はハイスピード鋼となっていますが、この鋼には、なぜかハイスピード鋼の特徴、例えば熱に強くてグラインダーで研磨が出来るなどの特長がありません。

原材料の寸法は断面が2分(6ミリ)×5分(15ミリ)角の棒状だそうです。
鉋を造る時は、普通なら、これを叩いて少し打ち広げてから生鉄に鍛接して二層になった鉄を、好みの大きさ、造りたい形に火造りで加工しますが、この鋼は叩いてもなかなか伸びないため、鍛接してから叩いて伸ばそうとすると鋼が伸びないで生鉄だけが延びてしまいます。
ですから、鋼のままで鉋の鋼の大きさまで伸ばしてから生鉄に鍛接しないといけないとのことです。

全ての鋼は赤めて鍛造しますが、温度を上げ過ぎるとバカになるので、必要以上に上げ過ぎないようにしますが、犬首号は特に温度に敏感で、少しでも高過ぎるとダメになり、そうかといって低めにすれば伸びない、という非常に許容範囲が狭い温度で鍛造をしなければいけないとのことです。
それでも度々失敗することがあるそうで、特に、扱いが難しく、手間が掛かる鋼だそうです。

只、旨く処理すると、甘切れですばらしい切味が出ます。(仕上げ鉋は甘切れが良いと言われます)
長切れは得意ではないですが、その代わり、びっくりするほど砥ぎやすいとのことです。
左下に、職人さんの名前「武則」が刻印されています。

取り扱いが難しい鋼のため、在庫が切れると納期が相当に掛かりますのでご了承ください。

説明書には「グラインダー・回転金盤には絶対に掛けないで下さい。」とありますので必ずお守りください。

今まで書いた特徴は、ハイス鋼の特長と違い、実は白紙の特徴に似ていると思っています。
河合鉄店は、戦時中、外国からの輸入が止まったため、日立に造らせた鋼で、その時に白紙に変わったとも言われていますが、白紙なら鍛造で伸びるはづですので・・・、不思議な鋼です。
ハイス鋼とは別物のようですが、兎に角、特別な味わいのある鋼のようです。

「東郷」武則作鉋、白樫台入完全直使い70ミリです。(20/5/20)

次ぎをクリックすると拡大写真が御覧頂けます。
 

「完全直ぐ使い」になっていますので、箱から出して刃を出したら直ぐ使えます。(写真の鉋屑はこの鉋で出したものです)

「完全直使い」とは台入れ屋さんに特別に頼んで自分が使う鉋と同じに手研ぎで合砥で研いで、箱から出したら直使えるようにしてあるものです。


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