こだわりのいっぴん

真空焼入「鉄名人」鉋


職人さんとお邪魔してゆっくり話をすることがります。

ある時、「昔、真空鉋というのが大変人気があったので、たくさん造ったが、当時の残り物が少しある。」とのことでして、以前、残っていたものを5枚購入したことがありましたが、全部売れて、お使いの方から良く切れたと評価を頂いていました。

当時の残り物がもう無いでしょうねと言いましたら、「鉄名人」という名前の鉋が少しだけだけあるとのことでしたので、再度購入して来ました。
以前、3000枚ほど販売した時の残り物だそうです。

真空焼入れに付いては、私の「手造りの鑿」のハイス鑿のページに解説していましたので、そっくり下に転載しました。

当然、今でも同じ焼入れが出来、温度調節が自在に出来ますので理想的な焼入れが方法なのですが、高価な炉に入れるため、120枚のロットでなければならないこと、それでも焼き入れ1枚当りの費用が普通の焼入れ方法より相当に高くなるとのことでして、鉋の売れる数が減った現在では事実上不可能になっているのです。

現品は真空鉋の特徴である光った状態でしたが、いくらか錆が出ていたので錆落としをしたもらいました。
地鉄は柔らかい生地(なまじ)で、鋼は使い慣れた青紙で、裏金も真空焼きの共裏付きです。
寸八が3枚だけで、今では貴重な製品と思って購入しましたのでご紹介します。

次が真空焼き入れの説明です。
真空焼き入れというのは、真空中で放射加熱して焼入れ温度まで上げ、不活性ガスの窒素によって急冷して焼き入れする方法です。
この方法の優れているのは全ての工程を真空中でするため、脱炭(表面の炭素が抜けて焼が甘くなること)や、浸炭(表面に炭素が侵み込んで硬度があがること)や、粒界酸化(鋼の粒子が酸化すること)などがなく鋼の組織が最良に保たれる事と、研磨した光った状態のままで焼きが入る事です。
また、鋼は全てゆっくり加熱することが良いとされますが、加熱には緩やかな温度上昇が可能で、冷やす時にはガス冷却ですので冷却温度を自由に設定して急冷することが出来ます。
これらの工程を全て真空中で行いますので、ほとんど変形が無く、仕上げしたままの状態で焼入れが行うことが出来るというとても優れた焼き入れ方法なのです。

次がその真空「鉄名人」鉋の裏です。


次がその真空「鉄名人」鉋の表です。


次がその真空「鉄名人」鉋の切刃です。


次がその真空「鉄名人」鉋の銘です。右のマークは表の上に打ってある、真空焼の印だそうです。


白樫台、完全直ぐ使い、桐箱入りで、追い柾か柾目、白樫のままか油台かご指定頂けます。

3枚限り 売り切れました(25/10/18)

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