こだわりのいっぴん

ヴァイオリン用切出し

ヴァイオリンの弓を製造しておられる、アトリエハーモニーの河辺恵一さんから最初次のようなメールを頂きました。

   よろしければ“型”をお送りさせて頂きたいと存じますので、外山様のご住所等をお教え願えればと思います。
   先ずはご覧戴きまして、お見積もりを頂戴出来ればと存じます。
   しかし、私もこの様な仕事をしていますと、夫々に夫々の専門の仕事をしていらっしゃる方がいらっしゃることを、
   若輩者ながらとても心強く感じます。
   日本の刃物の殆どは片刃の作りになっているので、ヨーロピアンスタイルの両刃で日本の刃物の切れ味というのが
   私の理想と感じていました。
   恐らくこの様な事を言って来る者もめったにいないと思いますので、心中お察し致します。
   素人の意見ではございますが、刃物も経験から打ち出されて来る感の様なものも有ると思いますので、この度の刃物
   に着きましては、経験的感覚から“行ける”とご判断頂ける様でしたらお願いして、“難しい”と引ける様な直感で
   したならば、お断り頂いて構いません。

「特注品でも出来ると思います。」とご返事したら、次のメールと共に木型を送って来られました。

   私もその刃物で切り出すラインが、そのまま自分の作品の線となって出て参りますので、今まで自分なりに加工して
   きた刃物の形から理想的と感じた物を木型にしてみました。
   その様なことも有り、使い始めたら長く付き合える刃物を持てる事を願っております。
   それはきっと仕事においても安心感にもなりますので、物作り者のわがままとして勝手をお許し願えればとも存じます。
   もしも、上手い具合に行きましたなら、私も仕事仲間に紹介してみたいと思う気持ちも有ります。
   ヨーロッパやアメリカの職人達にも認められる物になったら嬉しいですね!

それで、お送り下さった木型を三条の職人さんに頼みに行きましたら、「両刃でしかも2ミリ厚という薄さだと作るのが非常
に難しいものです。それと、鋼を生鉄に挟んで均一に焼入れするには、白紙では無理なので青紙にしました。」とのことで、
サンプルの木型と同じ形の両刃丸刃の切出しを作った来ましたのでお送りしたところ、間もなく次のようなご返事が届きま
した。

   あのナイフは切れます。
   私の方がもっと使い方を勉強しないといけない様に思います。
   初めのイメージ通りの研ぎで試しているのですが、切れ味は鋭いですね!
   刃先は硬さを感じますが、研ぎと当て方を捕らえられればもっとものにできそうです。
   工夫してみます。
   楓の木などを切って見ると、切り口の木目(繊維)が潰れずに刃が抜けるので、とても気持ちが良いです。
   切り口の木目が活きています。
   今はラウンドシェイプ(木型の感じ)で使っているのですが、ストレートの研ぎの物を揃えたいと思いますので、もう
   1本を追加注文お願いします。
   それともう片方の大きい木型の物もお願いします。
   これも2mm厚以下がいいです。 長さは180mm程が良いです。

そして今度は、両刃で薄いのは変わりないのですが、幅広の真っ直ぐの刃のサンプル木型をお送りくださいました。
それも旨く出来ましたのでお送りしたところ。

   先ほど品物が届き、早速研ぎをかけて試してみました。
   細い方の2本は、1本にカーブを着けて、もう片方は直線に刃を出しています。
   大きい方は直線に研いで使います。
   気のせいでしょうか? 大きいのが一番良く切れる様に思います。
   私の研ぎのせいかしら???
   それか、刃物全体の質量(重量)が有るので、刃が通り易いのか?
   あとは、腕も磨かねばかな!

そして、しばらくの後、追加注文を頂いて次のようなメールを頂きました。

   私は、調達していただいた刃物はすっかり私の手にも馴染みました。たまに前のナイフを使うと、この刃先の敏感さに
   改めて気が着かされます。すこぶる調子が良いです。
   そんな刃物に引かれた私の友人が、求めたいと申しておりますので、調達して頂けないでしょうか。

この刃物は、元々、河辺さんがヴァイオリンの弓を手造りしておられる立場から、自分が使いやすいような形を木型にして
ご発注されたのですが、お話ではヴァイオリン本体を造る方にも使えるはづだと申しておられました。
欧米の刃物は全て全鋼のため硬くすると焼き入れで狂いが出るためにどうしても甘めにしか作れないのです。
それに引き換え、日本の刃物は生鉄に鋼を鍛接していますので、炭素量の多い鋼を焼入れして曲ったと
しても修正が可能なために、焼を硬く入れることが出来るのです。ですから、必ず切味が勝ると考えられます。
今回、河辺さんが切味に満足されたのも当然と思います。

ご了解を得て、この刃物を販売することに致しました。

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